『太郎の嫁の物語』を読むと、家族の絆が見える？三浦暁子のエッセイに見る、三浦家の人々
作家・三浦太郎氏の妻、三浦暁子氏が綴る、50年の家族愛とユーモア溢れるエッセイ！ 嫁として、個性豊かな三浦家の人々との出会いと葛藤、そして絆を描く。曽野綾子との出会い、結婚のきっかけ、明治・大正生まれの家族との思い出…暁子さんの視点を通して、家族の温かさと人間模様が浮かび上がる。「シリアスでおもしろい嫁物語」をぜひ。
文化人類学者である夫との生活：価値観の違いと共感
サウダージ理解がきっかけ？本書のテーマは何？
「サウダージ」と三浦家の個性、時間の価値観。
本書では、文化人類学者である夫との生活を通して、価値観の違いや、そこから生まれる共感について言及しています。
公開日:2022/12/14
✅ 文化人類学にフィールドワークという革命を起こしたレヴィ＝ストロースは、未開社会での調査を通して、西洋的な思考に原始的な知覚の世界を紹介した。
✅ 彼はブラジルでのフィールドワーク、第二次世界大戦中の経験を経て、アメリカで研究活動を行い、帰国後は『悲しき熱帯』などの著書を発表し、構造人類学を確立した。
✅ 晩年は日本を訪問し、日本の文化や思想にも関心を寄せ、92歳まで執筆活動を続けた。原始的思考の豊かさを重視し、西洋的思考に異議を唱えた。
さらに読む ⇒ブッククラブ回出典/画像元: https://www.bookclubkai.jp/portfolio/people58/夫である太郎氏や義父母を含む三浦家の、物事を深く考える姿勢や時間の価値観に対し、著者は独自の視点で向き合っています。
本書の背景には、夫が文化人類学者であることや、以前から自宅にあったクロード・レヴィ＝ストロースの写真集『サンパウロへのサウダージ』からの影響があり、日本語には訳せない「サウダージ」という感情を理解したことがきっかけの一つとなっています。
太郎氏や義父母を含む三浦家の個性的な面々、特に物事を深く考え、侃々諤々議論する姿勢や、時間を大切にする「時短」の価値観について言及されています。
暁子氏は、それらとは対照的に「よくわからない」と観察し、補欠に徹する戦略家としての側面を見せます。
レトロカルチャーもいいけど、時間に対する価値観も大事ですよね。色々な価値観に触れるのは面白い。
義母との関係性：対照的な生き方と強さ
曽野綾子の生き方vs著者？どちらの価値観を評価？
ありのままの自分を大切にする姿勢を評価。
本書では、義母である曽野綾子氏との関係性に焦点を当て、対照的な生き方とその強さに迫ります。
✅ 作家の曽野綾子さんは、夫である三浦朱門さんの自宅介護を通して、食べ物の準備など、三浦さんが快適に過ごせるように献身的に支えた。
✅ 三浦さんは晩年、転倒するようになり、車椅子での生活を送るようになったが、曽野さんは住み込みの家政婦や看護師の手配に苦労した。
✅ 三浦さんは最期は意識を失い、曽野さんは死を受け入れ、夫の髪をなでながら昇天を見守った。介護を通して、人間は年齢とともに変わるものだと感じていた。
さらに読む ⇒読売新聞オンライン : ニュース＆お得サイト出典/画像元: https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20180117-OYTET50019/曽野綾子氏の「苦しみをエネルギーに変える」生き方に対し、著者の価値観が対照的に描かれ、そこから著者の強さが見えてきます。
義母の曽野綾子氏の「苦しみをエネルギーに変える」生き方に対し、著者自身は「つまらない人生でも、家族がぬくぬくと生きている方が良い」と考える対照的な価値観が描かれています。
橋本氏はそこに著者の強さを見出し、自己の弱さをさらけ出し、ありのままの自分を大切にしようとする姿勢を評価しています。
義父である三浦朱門への慕情も感じられ、「いつまでも綺麗でいるように努力して欲しい」という言葉が印象的です。
曽野綾子さんの生き方もすごいですが、それを受け止める著者の強さも感じますね。色々な生き方があるんだな。
本書を通じて、三浦暁子氏の視点から見た三浦家の姿、そして彼女自身の生き方と強さを感じることができました。
💡 本書は、三浦暁子氏が『太郎の嫁の物語』を通して、三浦家の人々との出会いや結婚生活を綴ったエッセイ。
💡 嫁という視点から、個性豊かな三浦家の人々との交流を描き、価値観の違いや家族としての絆を描いています。
💡 義母との対照的な生き方を通して、著者の強さ、自己肯定感、そして家族への思いが表現されています。
