映画『デルス・ウザーラ』とは?~黒澤明監督の自然描写とデルスの魅力とは?~黒澤明監督とシベリアの大自然、人間ドラマを紐解く
黒澤明監督がソ連で手掛けた感動巨編『デルス・ウザーラ』。20世紀初頭のシベリアを舞台に、大自然と生きる猟師デルスと、地図作成隊長アルセーニエフの友情を描く。栄光と挫折を乗り越え、SOSを発した黒澤監督。70mmフィルムで捉えた壮大な自然、デルスの知恵と温かさ、そして都会と自然の間で揺れる人間の姿を描く。映画界の巨匠に再び光を当てた、感動と希望の物語。
映画制作の裏側と黒澤監督のこだわり
黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』、何が一番の魅力?
自然への畏敬と本物へのこだわり。
映画『デルス・ウザーラ』の制作背景、黒澤明監督のこだわり、そして作品に込められた想いを深く掘り下げていきます。

✅ 1902年、ウスリー地方を調査するアルセーニェフ隊は、自然と共に生きる猟師デルス・ウザーラと出会い、友情を深める。
✅ 黒澤明監督が30年間映画化を熱望し、初の合作映画、初の70ミリ作品として製作、モスクワ映画祭グランプリを受賞した作品。
✅ 原作はアルセーニェフの探検記で、アカデミー外国語映画賞も受賞した。
さらに読む ⇒ナタリー - ポップカルチャーのニュースサイト出典/画像元: https://natalie.mu/eiga/film/132768黒澤監督のこだわりは、作品の細部にまで現れていますね。
俳優とのエピソードも、作品への愛着を深めます。
本物を追求する姿勢は、見習いたいです。
『デルス・ウザーラ』は、70mmフィルムによるロングショットや、自然光を活かした撮影など、黒澤監督のこだわりが随所に見られる作品です。
特にデルスの人物描写が際立っており、作品全体を通じて、黒澤監督の「本物を追求する姿勢」と、自然への畏敬の念が表現されています。
また、主演俳優のユーリー・ソローミンは黒澤監督から贈られた腕時計を紛失し、2年後に庭から発見するというエピソードもありました。
作品は、1975年8月2日に劇場公開され、ハリウッドのロジャー・コーマンによる配給、そしてアカデミー外国語映画賞の受賞という形で、黒澤監督のSOSに応えました。
ジョージ・ルーカスやフランシス・フォード・コッポラなど、黒澤監督を師と仰ぐ監督たちが、彼を再び映画界で活躍させるための動きを加速させました。
黒澤監督の作品って、レトロな雰囲気があっていいですよね!70mmフィルムとか、めちゃくちゃこだわってそう。ロジャー・コーマンとか、豪華な顔ぶれも興味深い。
観客の心を打つ映像美とデルスの魅力
デルスの魅力と再会シーン、多くの観客はどう感じた?
感動し、感情を揺さぶられた!
映画『デルス・ウザーラ』が、なぜ多くの観客の心を掴んだのか。
その映像美と、魅力的な登場人物デルスの魅力を解説します。
公開日:2024/10/19

✅ 黒澤明監督の映画「デルス・ウザーラ」は、シベリアのタイガを舞台に、地図作成のため派遣された探検隊と、森を知り尽くした原住民の猟師デルス・ウザーラの交流を描いている。
✅ デルスは森での生活を通して、自然との共存を大切にし、アルセーニエフをはじめとする人々に深い愛情を示す。しかし、都会での生活に馴染めず、最終的には森へ帰ることを決意する。
✅ デルスは森へ帰った後、何者かに殺害され、アルセーニエフは彼の墓を探す。映画は、人間と自然、そして異なる文化間の絆と別れを描いた作品として、記憶に残る。
さらに読む ⇒Flourella blog出典/画像元: https://flourella.wordpress.com/2024/10/20/dersu-uzala/デルスの愛らしさ、自然へのリスペクト、心に響く言葉…。
感情を揺さぶられる描写は、映画の大きな魅力ですね。
様々な意見があるのも興味深いです。
多くの視聴者は、主人公デルスの愛らしさや、彼と主人公アルセーニエフとの再会シーンに感動し、感情を揺さぶられたと述べているように、映画は多くの観客の心に響きました。
また、シベリアの美しい自然描写や、デルスの知恵ある言葉、自然や生き物へのリスペクトに感銘を受けたという声が多いです。
一方で、物語の展開や、活劇やドラマとしての展開が物足りないと感じる人もいました。
第一部で物語のピークが来ており、その後はやや単調に感じられるという意見や、都会でのデルスの孤独に興味を惹かれるという声もありました。
黒澤監督作品でありながら、脚本が共同制作であったことにも触れられています。
デルスの死に方は、悲しいなあ。都会の生活に馴染めないっていうのも、今の時代にも通じるものがあるよね。自然との調和が大切だってことを、改めて考えさせられるよ。
黒澤明監督への敬愛と『デルス・ウザーラ』のその後
黒澤明監督、ロシアでの知名度は?
首相より有名!広く知られています。
黒澤明監督のロシアへの深い愛情、そして映画『デルス・ウザーラ』がその後の黒澤監督に与えた影響について考察します。

✅ 黒澤明は、長年ロシア文学を愛し、ロシアの大自然を夢見ており、1971年のモスクワ訪問では、到着後すぐに森へ行くことを希望し、念願のロシア体験をした。
✅ 黒澤明は兄の影響でロシア文学に親しみ、初期には日露戦争を題材とした映画の企画もあったが実現せず、戦後の映画監督としての成功を経て、ドストエフスキーの『白痴』を映画化するなど、ロシア文学への関心を深めた。
✅ 黒澤明のロシアへの関心は、映画『デルス・ウザーラ』の成功以前から存在し、生涯にわたるものであった。
さらに読む ⇒ロシア・ビヨンド出典/画像元: https://jp.rbth.com/arts/84395-sekaiteki-legend-kurosawa-akira-kantoku-naganen-wataru-roshia-jonetsu黒澤監督のロシアへの愛情は、映画を通して実を結びましたね。
黒澤監督の偉大さを再認識します。
ワシーリエフ氏とのエピソードも、感動的です。
2010年、黒澤明監督生誕100年を記念し、日ソ合作映画『デルス・ウザーラ』の助監督であったウラジーミル・ニコラエヴィッチ・ワシーリエフ氏が来日しイベントが開催されました。
ワシーリエフ氏は、黒澤監督との出会いや『デルス・ウザーラ』撮影時のエピソードを語り、シベリアでの「黒澤組」の友情、ロシアにおける黒澤作品への評価について言及しました。
氏にとって初の訪日であり、黒澤監督との仕事を通して、日本への強い思いを抱いていたことが語られました。
ロシアでは黒澤監督の名は広く知られており、首相の名前を知らなくても黒澤監督の名前を知らない人はほとんどいないというほどです。
ワシーリエフ氏は、黒澤監督から贈られたセイコーの腕時計やネクタイを大切に身に着けていました。
イベントでは、ワシーリエフ氏が制作した『デルス・ウザーラ』のメイキングフィルムや、黒澤監督生誕100周年を記念したロシアのテレビ番組が上映され、ロシアにおける黒澤監督への評価の高さが示されました。
映画評論家の西村雄一郎氏との対話を通して、映画製作の裏側や黒澤監督の偉大さが改めて語られ、黒澤明監督の映画は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。
黒澤監督は、ロシア文学が好きだったんですね。その思いが、こういう形で実を結んだのは素晴らしい。映画を通して、日本の文化も伝わっているってことにも感動しました。
本日は、黒澤明監督の映画『デルス・ウザーラ』についてご紹介しました。
自然描写、人間ドラマ、そして黒澤監督の情熱が詰まった素晴らしい作品でしたね。
💡 黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』は、自然と人間の関係性を描いた作品である。
💡 映画は、シベリアの大自然と、原住民デルスの魅力を最大限に引き出している。
💡 黒澤監督の映画愛と、映画製作へのこだわりが詰まった作品である。