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映画『デルス・ウザーラ』とは?~黒澤明監督の自然描写とデルスの魅力とは?~黒澤明監督とシベリアの大自然、人間ドラマを紐解く

黒澤明監督がソ連で手掛けた感動巨編『デルス・ウザーラ』。20世紀初頭のシベリアを舞台に、大自然と生きる猟師デルスと、地図作成隊長アルセーニエフの友情を描く。栄光と挫折を乗り越え、SOSを発した黒澤監督。70mmフィルムで捉えた壮大な自然、デルスの知恵と温かさ、そして都会と自然の間で揺れる人間の姿を描く。映画界の巨匠に再び光を当てた、感動と希望の物語。

映画『デルス・ウザーラ』とは?~黒澤明監督の自然描写とデルスの魅力とは?~黒澤明監督とシベリアの大自然、人間ドラマを紐解く

📘 この記事で分かる事!

💡 黒澤明監督が30年間映画化を熱望した、日ソ合作映画であること。

💡 シベリアの大自然を舞台に、人間と自然との共存が描かれていること。

💡 第48回アカデミー外国語映画賞を受賞した作品であること。

本日は、黒澤明監督の映画『デルス・ウザーラ』の世界へご案内いたします。

作品の見どころを3つのポイントにまとめました。

黒澤明監督と『デルス・ウザーラ』への道程

黒澤明監督『デルス・ウザーラ』は何を描いた?友情と自然?

友情と自然、そして黒澤明監督の半生。

黒澤明監督による映画『デルス・ウザーラ』。

その70ミリ版上映会でのエピソードを交えつつ、作品の背景や、黒澤監督の映画作りへの思いを紐解きます。

小野耕世のPLAY TIME ゛黒澤明「デルス・ウザーラ」の70ミリ版を見る゛
小野耕世のPLAY TIME ゛黒澤明「デルス・ウザーラ」の70ミリ版を見る゛

✅ 黒澤明監督の映画「デルス・ウザーラ」の70ミリ版上映会に、筆者が参加し、主演俳優マクシム・ムンズクの孫や、映画関係者との交流があった。

✅ 筆者は、1975年の映画雑誌『キネマ旬報』に掲載された自身の記事(映画評)を振り返り、主演俳優へのインタビューをしようとしていたが、実際には映画評を先に書いていたことを思い出した。

✅ 上映会では、映画評を通じて筆者が自然への関心や、原作となったアルセーニエフの「ウスリー紀行」への思いを語り、アニメーション映画の修復に関わった人物との出会いもあった。

さらに読む ⇒シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン出典/画像元: https://cinefil.tokyo/_ct/17133556

映画評を先に書いていたというエピソードは興味深いですね。

作品に対する筆者の深い考察を、上映会での体験を通して伝えている点も印象的です。

1975年、黒澤明監督がソ連で撮影した『デルス・ウザーラ』は、20世紀初頭のシベリアを舞台に、大自然の中で生きる少数民族の猟師デルス・ウザーラと、地図作成のため調査隊を率いるアルセーニエフー大尉との出会いと友情を描いた作品です

この作品は、1902年から数回にわたる地誌調査を基にしたソ連映画であり、黒澤明監督自身の半生を投影したものでもあります。

1969年の『どですかでん』での失敗や金銭的な困窮、自殺未遂などを経て、海外での撮影を決意した黒澤監督は、本作で自らの栄光と凋落、そして映画界からのSOSを表現しました。

作品は映画界の生きる伝説としての黒澤明監督の物語であり、そのSOSに応えた人々の功績も含まれています。

ソ連映画『デルス・ウザーラ』は、ウラジミール・アルセーニエフの著作を基に、自然と共存するゴルド人デルスとの出会いと交流を描いています。

主人公アルセーニエフ(ユーリー・サローミン)は、ウスリー地方での調査中にデルス(マキシム・ムンズク)と出会い、案内人として同行を依頼。

厳しい自然環境の中、デルスの知恵と経験が一行を救い、2人は友情を育んでいきます。

いやあ、黒澤監督の作品は、本当に素晴らしい。あの頃の映画は、今とはまた違った良さがあるもんだよ。映画館で観たかったなあ。

シベリアの大自然とデルス・ウザーラの物語

デルスの死が意味するものは?自然と文明、揺れ動く心。

自然との調和と、文明との対立。

雄大なシベリアを舞台に描かれる、人間と自然、そして友情の物語。

映画『デルス・ウザーラ』の物語の核心部分に迫ります。

デルス・ウザーラ:映画作品情報・あらすじ・評価
デルス・ウザーラ:映画作品情報・あらすじ・評価

✅ 1902年から始まるアルセーニエフと、先住民デルスの友情を描いた映画で、地誌調査を通して出会い、自然の中で共に生きる姿が描かれている。

✅ デルスは、自然と共に生きる猟師で、案内人としてアルセーニエフ一行を助けるが、時代の変化や老いによって密林での生活が困難になる。

✅ 都会での生活に馴染めないデルスは、最後には殺されてしまい、アルセーニエフは彼の死に慟哭する。作品は、その死を通して自然と人間の関係性を問いかける。

さらに読む ⇒MOVIE WALKER PRESS ムービーウォーカー プレス 映画出典/画像元: https://press.moviewalker.jp/mv12486/

デルスの死を通して、自然と人間の関わりを問いかけるテーマは、今日の私たちにも深く刺さるものがありますね。

人間の業を感じます。

映画は70ミリで撮影され、中井朝一らが撮影を担当し、イサク・シュワルツが音楽を、ユーリー・ラクシャが美術を手掛け、自然描写の美しさが特徴です。

物語は2部構成で、1902年の出会いと、1907年の再会を描きます。

2部では、フンフーズと呼ばれる匪賊の脅威や、視力低下によるデルスの苦悩と変化が描かれ、都会での生活に馴染めず、密林への帰還を望むデルスに最新の銃を贈りますが、それが悲劇を招きます。

デルスの死を通して、自然との調和と、文明社会との間で揺れ動く人間の姿を描き出しているのです。

自然描写が美しいという点に惹かれますね。70ミリというのも、その美しさを最大限に引き出しているんでしょう。観てみたいです。

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黒澤明監督の名作『デルス・ウザーラ』。自然美と人間の絆を描いた感動巨編!知恵と優しさあふれるデルスの姿、そして映画を支えた人々の熱い想いが、今も観る者の心を揺さぶる。