『白い巨塔』は時代を超えて愛される──映像化の歴史と財前五郎像の変遷を徹底解説!『白い巨塔』各バージョンの見どころ:映画・ドラマ、それぞれの財前五郎
山崎豊子の名作『白い巨塔』、時代を超えて愛されるその映像化作品群。田宮二郎、岡田准一ら名優たちが演じた財前五郎の姿を通して、医療現場の葛藤、人間の欲望と弱さを描く。1978年版は田宮二郎の遺作にして、児玉清との対決が光る。各ドラマ版の違い、社会的なメッセージ、そして俳優たちの熱演。今もなお心に残る、不朽の名作を紐解く。
昭和テレビ版『白い巨塔』:田宮二郎の熱演
「白い巨塔」の財前五郎役を演じた田宮二郎は、どんな人物だった?
役作りに情熱を注いだ俳優
昭和テレビ版「白い巨塔」は、田宮二郎さんの熱演が光る傑作です。
豪華キャストにも注目です。

✅ 1966年公開の大映映画「白い巨塔」は、田宮二郎主演による山崎豊子原作の社会派医療ドラマの映画化作品であり、田宮二郎の財前五郎は、冷徹で野心的な二枚目ぶりで、後のどの財前役をも凌駕すると著者は考えています。
✅ 映画は原作小説の完結版にあたる内容で、財前が裁判に勝利し、医学界の頂点に立つ場面で終わりますが、原作小説の続編では財前のその後が描かれており、78年版のテレビドラマを含め、後の作品では財前の悪行が裁かれる勧善懲悪的な結末となっています。
✅ 映画は田宮二郎をはじめ、東野英治郎、小沢栄太郎、加藤嘉など、実力派俳優が多数出演しており、豪華な顔ぶれと質の高い演技が魅力です。また、橋本忍の脚本と山本薩夫の演出も高く評価されており、医学界の権威と利権を象徴する「白い巨塔」は、コロナ禍における社会構造の課題を浮き彫りにする作品として、現代においても深い意味を持つと著者は指摘しています。
さらに読む ⇒ソルティはかた、かく語りき出典/画像元: https://saltyhakata.livedoor.blog/archives/9816953.html田宮二郎さんの熱演が、このドラマの魅力ですよね。
財前五郎の人間性が深く描かれています。
昭和テレビ版「白い巨塔」は、豪華キャストが集結した傑作ドラマで、財前の欲望に塗れた人生が、医療の本質に真摯に取り組む里見医師との対比で描かれます。
大学病院の封建的で閉鎖的な世界、財前の愛人である花森ケイ子、財前のスポンサーである財前又一など、魅力的なキャラクターが登場します。
田宮二郎は「白い巨塔」の財前五郎役を演じることに人生を賭け、役作りに励みましたが、躁鬱病を発症し、治療を拒否したため、彼の情熱は途中で途絶えてしまいました。
ドラマ「白い巨塔」は、田宮二郎の最期と重なり、ドラマ史に残る作品となりました。
昭和版は、レトロな雰囲気もいいですね。今見ると、ファッションやセットも新鮮で面白いです。
岡田准一版『白い巨塔』:財前五郎の異なる解釈
岡田准一版「白い巨塔」の財前五郎像は?
強固な野心と冷酷さ
岡田准一さん版では、財前五郎の解釈が大きく異なり、彼の冷酷さや野心が強調されています。

✅ 岡田准一が主演を務めるドラマスペシャル「白い巨塔」は、山崎豊子の同名小説を原作とする5夜連続ドラマ。岡田は、財前五郎という外科医役を演じ、その野心と才能、そして崩壊していく姿を見事に表現している。
✅ 岡田は財前五郎を演じるにあたって、「いい人」の役よりも断然楽しい役だと語り、財前の傲慢さや自信、そして人間の強さと弱さを表現することに苦労したことを明かす。また、財前のダークヒーローとしての魅力、そして晩年に見せる悲しさについて、自身の経験を踏まえて語っている。
✅ 岡田は、財前が周囲に与える影響についても言及し、特に後輩である柳原を追い詰めるシーンでは、柳原のビクビクする姿を楽しんでいたと明かし、財前の冷酷で計算高い一面を強調している。
さらに読む ⇒リアルサウンド|音楽、映画・ドラマ、エンタメ×テック、書籍のカルチャーサイト出典/画像元: https://realsound.jp/movie/2019/05/post-364703.html岡田准一さんの財前五郎も、また違った解釈で興味深いですね。
各俳優の個性が際立っています。
テレビ朝日系のドラマ「白い巨塔」の岡田准一版は、原作小説と過去2度のドラマ版との比較を通して、主人公・財前五郎のキャラクターの解釈が異なることを考察した。
特に、田宮二郎版は、財前の弱さや葛藤を描き、唐沢寿明版は冷静さと医師としての誇りを強調している。
今回の岡田准一版では、財前の強固な野心と冷酷さが際立ち、死期が近づくにつれて狂気を感じさせる描写が印象的だった。
原作では財前の死は、自身の過ちへの反省と医療への貢献を意識したものであったが、ドラマでは各バージョンによって解釈が異なり、特に岡田准一版では大学の名誉に対する謝罪が強調されていた。
結論として、各俳優の解釈によって財前五郎像に異なる側面が浮かび上がり、それぞれに魅力的な作品になっていると感じる。
筆者は、原作のイメージに近いのは唐沢寿明版、山崎豊子の描く財前五郎像に近いのは田宮二郎版という感想を抱いた。
今回のドラマも良くできた作品ではあるが、原作や過去のドラマと比較すると、財前の医療に対する姿勢が十分に描かれていない点が残念だった。
私も岡田准一さんの作品は見ましたが、田宮二郎版とはまた違った魅力がありましたね。それぞれの時代で、違った財前五郎が描かれるのが面白いです。
『白い巨塔』:田宮二郎の魂が宿る傑作
田宮二郎版「白い巨塔」の魅力は何?
財前五郎の魂が宿る演技
最新のドラマ情報も含め、各作品を比較しながら、その魅力を改めて紐解いていきます。
公開日:2024/01/22

✅ 2024年1月23日からBS11にて、山崎豊子の小説「白い巨塔」を原作とするドラマが放送開始されます。
✅ 唐沢寿明が天才外科医・財前五郎を、江口洋介が無欲な内科医・里見脩二を演じ、現代医療の問題点や人間の弱さなどを描きます。
✅ 2003年から2004年にかけてフジテレビで放送された同ドラマは、井上由美子脚本、豪華キャスト陣による高い完成度で話題となりました。
さらに読む ⇒ぴあエンタメ情報出典/画像元: https://lp.p.pia.jp/article/news/334437/index.html『白い巨塔』は、時代を超えて多くの人々に影響を与えている作品ですね。
各作品の魅力を再確認できました。
『週刊現代別冊週刊現代プレミアム2020Vol.1』に掲載された田宮二郎さんの『白い巨塔』エピソードを取りまとめた記事『ドラマ『白い巨塔』に会いに行く田宮二郎財前五郎に殉じた魂』は、山本學さんや島田陽子さんなど、当時の共演者の証言を交え、田宮二郎さんが演じた財前五郎と、その遺作となったドラマ『白い巨塔』を深く掘り下げています。
記事では、1978年版『白い巨塔』の製作秘話や、田宮二郎さんの俳優としての魅力、そしてドラマが持つ社会的なメッセージについて、貴重なエピソードが紹介されています。
特に、財前五郎の誤診によって命を落とした佐々木庸平の妻・よし江役の中村玉緒さんや、関口仁弁護士役の児玉清さんなど、主要キャスト陣の証言は、当時の撮影現場の雰囲気や、作品への情熱を感じさせる貴重なものです。
また、1966年版の大映映画や、その他の『白い巨塔』の映像化作品との比較も興味深く、田宮二郎版が持つ魅力をより際立たせています。
さらに、記事では、ドラマ『白い巨塔』が社会に投げかける問題点、特に医療現場における権力闘争や倫理的な問題についても言及しており、現代においても重要なテーマであることがわかります。
この記事は、田宮二郎さんのファンはもちろん、ドラマ『白い巨塔』に関心のある方にとって、必読の価値があると言えるでしょう。
田宮二郎さんの魂が宿る、という表現に納得です。本当に素晴らしい作品ですよね。
様々なバージョンの『白い巨塔』を通して、医療現場のリアルな描写と、人間の葛藤が描かれており、大変興味深い内容でした。
💡 『白い巨塔』は、医療現場における医師たちの葛藤や人間ドラマを描いた不朽の名作です。
💡 各時代の俳優たちが演じた財前五郎には、それぞれの解釈があり、作品に深みを与えています。
💡 作品を通して、現代社会にも通じる問題提起がなされており、時代を超えて愛される理由がそこにあります。