「調理定年」は幸せへの第一歩? 高齢期の食生活の変化と課題とは?「調理定年」って何? 食生活の変化と、その背景にあるもの。
「調理定年」という新しいライフスタイルをご存知ですか? 博報堂の調査によると、料理を作るのが面倒になる年齢は50代半ば! 食の好みの変化や体力的な理由、そして長年の料理からの解放願望が背景に。手軽な選択肢が増える一方で、健康、経済、ライフスタイルを考慮した自分らしい食生活設計が重要です。あなたにとっての「調理定年」を考えてみませんか?
💡 年齢を重ねるにつれて、料理を作る意欲が減退し、外食や惣菜に頼るようになる「調理定年」という概念が注目されています。
💡 「調理済み食品を使う人」が増加し、料理は「作る」から「使う」へと変化。手作り信仰は薄れ、便利な調理済み食品への肯定的な意見が多数。
💡 高齢女性の4割以上が老後の調理頻度を減らしたいと考えており、宅配、惣菜、コンビニなどの利便性向上により高齢者の食生活は多様化。
本日は、高齢期の食生活における新たな選択肢「調理定年」について、詳しく見ていきましょう。
第1章では、調理定年の具体的な事例から入ります。
調理定年と食べる寿命:年齢とともに変化する食生活
「調理定年」って、何歳くらい?
平均56歳5カ月
本記事では、調理定年と食べる寿命について解説します。
年齢や体調の変化によって、食生活がどのように変わるのか、その背景にある社会的な変化にも触れていきます。

✅ 石狩市に住む二上朋子さん(79歳)は、夫と話し合って「調理定年」を始め、自由な時間を手に入れた。
✅ 「調理定年」とは、年齢や体調などを理由に、食事の調理から解放されることで、自由な時間を確保する考え方。
✅ 博報堂生活総合研究所の夏山明美上級研究員は、共働き世帯の増加など、時代の変化が「調理定年」の浸透を後押ししていると指摘。従来型の専業主婦が多かった時代とは状況が変わっており、新しい調理済み食品を使った食生活スタイルは、男性・女性ともに幸せに導く可能性があると述べている。
さらに読む ⇒北海道で暮らす、あなたとつくる、明日への゛きっかけ゛マガジン出典/画像元: https://sitakke.jp/post/13888/3/二上朋子さんの事例は、新しい食生活の形を示唆していますね。
「調理定年」という言葉が示すように、年齢と共に変化する食生活をどう受け入れ、どのように豊かにしていくか、考えさせられます。
年齢を重ねるにつれて、料理を作る意欲が減退し、外食や惣菜に頼るようになる「調理定年」という概念が注目されています。
博報堂生活総合研究所の調査によると、気持ち的に料理を作るのが面倒になる「ココロの調理寿命」は平均56歳5カ月、体力的に辛くなる「カラダの調理寿命」は平均63歳1カ月とされています。
この調査結果から、料理の定年年齢は仕事の定年年齢とほぼ一致することが分かります。
さらに、食べる寿命に関する調査では、「大盛り寿命」が44歳1カ月、「行列麺寿命」が45歳3カ月、「焼き肉寿命」が50歳11カ月とされています。
これらの調査結果から、年齢を重ねるにつれて、食の好みや体力的な変化が料理離れに繋がっていることが分かります。
特に50代女性の料理離れについては、長年家族のために料理をしてきた重圧から解放されたいという思いが背景にあると分析されています。
むかしは台所に一日中立っている奥様が当たり前だったが、時代は変わったものだなあ。便利なものも増えたし、良いことなのかもしれない。
高齢化社会における食生活の変化
日本の食生活で何が普及している?
調理済み食品
本記事では、高齢化が進む現代社会における食生活の変化について考察します。
調理済み食品の利用が増加し、食に関する価値観がどのように変化しているのかを深掘りします。

✅ 「調理済み食品をよく使う方だ」が「料理を作ることが好きな方だ」を上回り、料理は「作る」から「使う」へと変化している。
✅ 調理済み食品を使う人増加は、年代や性別に関係なく見られる。特に40代を除く全ての年代で「調理済み食品をよく使う方だ」の割合が過去最高を記録している。
✅ 生活者の多くは、調理済み食品の使用を「手抜き」ではなく「手間抜き」と捉えている。料理に対する手作り信仰は薄れつつあり、便利な調理済み食品に対する肯定的な意見が多数を占めている。
さらに読む ⇒ひらけ、みらい。生活総研出典/画像元: https://seikatsusoken.jp/my-teiten/20621/調理済み食品に対する意識の変化は、非常に興味深いですね。
「手抜き」ではなく「手間抜き」という捉え方の変化は、食生活における価値観の多様化を示しています。
博報堂生活総合研究所の調査では、日本、中国、東南アジアにおける食事風景の写真分析から、日本においてはすでに調理済み食品を活用した食生活が広く普及していることが明らかになりました。
この調査結果は、高齢化社会における食生活の変化や食に関するサービスのニーズを理解する上で重要な知見となります。
日本だけでなく、中国や東南アジアでも調理済み食品が普及しているというのは、興味深いですね。食文化のグローバル化を感じます。
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老後の「調理定年」が話題!40代から考える食事の選択肢。コンビニ、宅食、外食…自分らしい食生活を見つけ、健康で快適な老後を。