『あちらにいる鬼』は何を描いたのか？井上荒野、瀬戸内寂聴、映画化で話題？井上荒野の小説『あちらにいる鬼』と映画化、その背景にある人間関係を紐解く
小説家・井上荒野が、父・井上光晴と瀬戸内寂聴の関係をモデルにした『あちらにいる鬼』。驚きの実話に基づき、寂聴の愛情と、作家の父を巡る複雑な人間模様を描く。映画化もされた本作は、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子の豪華キャストで、禁断の愛と家族の絆を鮮烈に表現。あなたも、3人の真実が織りなす衝撃的な物語を目撃せよ。
瀬戸内寂聴の言葉と、時代の倫理観
寂聴が貫いた愛とは？不倫を超越したその本質は？
純粋な愛情と、愛に生きること。
続いて、瀬戸内寂聴氏の言葉、そして作品を通して描かれる時代の倫理観についてです。
井上荒野氏の言葉も交えてご紹介しましょう。
公開日:2018/06/14
✅ 小説家である井上荒野さんが、父である小説家・井上光晴さんの思い出について語っており、父の晩年の様子はドキュメンタリー映画にも描かれている。
✅ 井上荒野さんは、父と瀬戸内寂聴氏との不倫関係をテーマにした小説を執筆することになり、寂聴氏との交流や資料調査を通して、父と母と寂聴氏をモデルにした作品を制作している。
✅ 井上荒野さんは、父の影響で小説家になったと語り、父から「人は何かしらやらなきゃいけない」という教えを受け、それが自身の小説家としての基盤になっていると述べている。
さらに読む ⇒AERA dot. (アエラドット) | 時代の主役たちが結集。一捻りした独自記事を提供出典/画像元: https://dot.asahi.com/articles/-/114724?page=1瀬戸内寂聴さんの言葉は、今も響きますね。
愛に生きることの重要性、そして、世間の目にとらわれない生き方。
とても考えさせられます。
瀬戸内寂聴は、井上光晴との関係を不倫という認識ではなく、純粋な愛情に基づいたものだったと語りました。
彼女は、恋愛を雷が落ちるようなものと表現し、世間的な幸福を求めることよりも、愛に生きることの重要性を強調しました。
また、不倫に対する現代社会の批判的な視点に対し、当事者以外の意見には意味がないと述べています。
井上荒野は、母が父との関係で怒りを表さず、共に墓に入ったことに触れ、瀬戸内さんは文学的な恩恵を受けたと語りました。
井上光晴の文学に対する真摯さや文壇での孤独を理解し、彼との関係が自身の文学に大きな影響を与えたと振り返りました。
不倫を純粋な愛として語るって、なんかカッコいいですよね。時代は変わっても、普遍的なテーマですね。
公に語られるようになった関係
井上荒野の小説がきっかけ？寂聴の心境の変化とは？
井上光晴との関係を公に語るようになった。
次に、井上荒野氏の小説執筆をきっかけに、瀬戸内寂聴氏が自身の関係を公に語り始めた経緯についてご紹介します。
✅ 瀬戸内寂聴と井上光晴の関係を描いた映画「あちらにいる鬼」は、前半は平板ながら、後半で妻の内面に焦点を当てることで深みが増し、それぞれの人生を生き抜いた3人の姿を描き出している。
✅ 豊川悦司演じる井上光晴に魅力が欠けるなど、一部の演技やシナリオに課題はあるものの、広末涼子演じる妻の描写を中心に、映画は徐々に魅力を増していく。
✅ 井上光晴を描いたドキュメンタリー映画「全身小説家」では、彼の虚言癖や女性関係など様々な側面が描かれ、寂聴の弔辞に見られるような、人間関係のタフさも表現されている。
さらに読む ⇒ホテル暴風雨出典/画像元: https://hotel-bfu.com/toyozoniimura/cinema/2022/11/30/inouemitsuharu/井上荒野さんの小説が、寂聴さんの言葉を引き出したんですね。
過去の作品での表現の変化、それも興味深いですね。
井上荒野の小説執筆をきっかけに、寂聴自身も井上光晴との関係を公に語り始めました。
朝日新聞のエッセーや連載「寂聴残された日々」などで、その関係を具体的に語るようになり、過去の作品における表現にも変化が見られました。
寂聴自身も、娘の作品を通じて井上光晴の存在が明確に表現されることに喜びを感じていたようです。
以前から、井上光晴を思わせる男性を登場させることはありましたが、それはあくまで遠回しな描写でした。
寂聴さんが、井上光晴さんとの関係を公に語るようになったというのは、すごいことですね。色々な思いがあったでしょうに。
父への思い、そして作品への昇華
井上荒野が小説『あちらにいる鬼』を書いたきっかけは？
父と瀬戸内寂聴の関係を題材とする提案。
最後に、この作品が私たちに残すもの、そして、井上荒野氏が描きたかったものについて、まとめてみましょう。
公開日:2023/08/29
✅ 井上荒野の小説『あちらにいる鬼』が映画化され、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子が出演、廣木隆一監督、荒井晴彦脚本で2022年11月に公開。
✅ 物語は、作家・白木篤郎と人気作家・長内みはる、篤郎の妻・笙子の3人の特別な関係を描き、瀬戸内寂聴と井上光晴をモデルにした男女関係が描かれる。
✅ 主演の寺島しのぶは、映画化を心待ちにしていたという瀬戸内寂聴への思いを語り、共演者やスタッフとの作品作りに意欲を見せている。
さらに読む ⇒カルチュア・エンタテインメント株式会社出典/画像元: https://ceg.co.jp/news/product_release220421/井上荒野さんが、父と瀬戸内寂聴さん、そして母との関係を描いた作品。
小説を通して、真実を描き出そうとした気持ち、すごく伝わってきます。
井上荒野は、父の小説家としての姿、晩年の様子、そして父と瀬戸内寂聴との関係について語っています。
父は多くの女性に好かれ、「女好き」だったと評されています。
編集者からの提案で、最初は断っていた父と寂聴の関係を題材とした小説執筆を決意し、瀬戸内寂聴との対話や資料調査、自身の経験を交えながら、『あちらにいる鬼』を執筆しました。
小説では、瀬戸内寂聴と母をモデルとした女性2人を一人称で描き、父との複雑な関係を描いています。
井上荒野は、父に対する瀬戸内寂聴の深い愛情を感じ、小説を通して、父と寂聴、そして母の真実を描き出しました。
色々な視点から、この作品を読み解くことができるんですね。映画も楽しみだし、小説も読んでみたくなりました。
本日は、小説『あちらにいる鬼』を通して、井上荒野氏、瀬戸内寂聴氏、そして井上光晴氏の人間関係に迫りました。
作品を通して、色々なことを感じ、考えるきっかけになれば幸いです。
💡 小説『あちらにいる鬼』は、井上光晴氏と瀬戸内寂聴氏の関係を、娘である井上荒野氏の視点から描いた作品です。
💡 映画化もされ、豪華キャストでその人間関係が表現されています。寂聴さんの言葉は、今も多くの人々に影響を与えています。
💡 この作品は、愛、家族、そして真実について、私たちに多くの問いを投げかけてくれます。
