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『白い巨塔』に見る医療の変遷:小説、映画、ドラマを通しての変化とは?『白い巨塔』:映像化の歴史と医療現場のリアル

時代を超えて愛される医療ドラマ『白い巨塔』。野心と葛藤、そして癌との闘いを描く。各映像化作品で、医療技術の進化と社会の変化を鮮やかに描写。初期の胃癌から、最新の膵臓癌まで、手術や検査技術の進歩は目を見張る。医療訴訟や倫理観の変化もテーマとして描かれ、見る者に深い問いを投げかける。登場人物のファッションにも注目し、現代医療の姿を多角的に考察する。

『白い巨塔』に見る医療の変遷:小説、映画、ドラマを通しての変化とは?『白い巨塔』:映像化の歴史と医療現場のリアル

📘 この記事で分かる事!

💡 『白い巨塔』は小説・映画・ドラマを通して映像化され、医療技術や社会情勢の変化を反映してきた。

💡 初期の映像化作品では胃がんが中心、最新版では膵臓がんが扱われるなど、癌の種類も変化。

💡 医療訴訟の描写を通して、現代医療が抱える専門性と倫理観の問題を浮き彫りにしている。

本日は、『白い巨塔』の映像化作品を通して、医療現場の変遷と、作品が描く社会問題を紐解いていきたいと思います。

小説から映像化へ:医療現場の変遷

白い巨塔、映像化で何が変わった?医療技術の進化とは?

検査・手術の高度化、扱う癌の種類も変化!

最初に、映画『白い巨塔』から見ていきましょう。

1966年公開の映画版は、医療界の腐敗や教授選の裏側を生々しく描いています。

Dr.石原藤樹の「映画に医見!」
Dr.石原藤樹の「映画に医見!」

✅ 映画『白い巨塔』は、大学病院の教授選と医療過誤をテーマにした、1966年公開の日本映画です。

✅ 医師の石原藤樹氏が、映画の内容を現役医師の視点から評価しており、当時の医療界の腐敗や教授選の実態をリアルに描いていると考察しています。

✅ 映画は、主人公である外科医の傲慢さや医療ミスの対応の悪さ、そして医療訴訟を通して、現代にも通じる医療の課題を描き出しています。

さらに読む ⇒医師のキャリア情報サイト【エピロギ】出典/画像元: https://epilogi.dr-10.com/articles/3123/

映画版は、現代の医療現場にも通じる問題提起をしており、その普遍性に驚きますね。

当時の医療の現状を深く知ることができます。

山崎豊子の小説『白い巨塔』は、大学病院を舞台に、野心あふれる外科医・財前五郎と良心的な内科医・里見脩二の対比を通して、医療界の腐敗や医療訴訟、そして癌との闘いを描いた作品です

1960年代の発表以来、映画やテレビドラマとして繰り返し映像化され、その度に医療技術や社会情勢の変化が反映されてきました。

初期の田宮二郎版では胃癌が中心で、診断にはX線検査が中心、手術は開腹手術でした。

唐沢寿明版では食道癌などより難易度の高い癌が扱われ、CTやMRIなどの検査が登場し、手術も進歩した技術が採用されました。

いやあ、懐かしいねえ。田宮二郎さんの財前五郎は印象的だった。時代を感じるけど、人間の本質は変わらないもんだね。

2019年版「白い巨塔」:医療技術と描かれ方の進化

財前五郎の病状、岡田版で最も特徴的なのは?

膵臓がんの腹膜転移と、腹腔鏡の名手設定。

次に、2019年版のドラマに焦点を当てます。

最新の医療技術や、登場人物のファッションにも注目して見ていきましょう。

岡田准一、「白い巨塔」で初の゛医師役゛!「今やることに意義がある」

公開日:2018/10/18

岡田准一、「白い巨塔」で初の゛医師役゛!「今やることに意義がある」

✅ テレビ朝日開局60周年記念ドラマとして、岡田准一主演で山崎豊子の「白い巨塔」を5夜連続でスペシャルドラマ化。

✅ 岡田准一は初の医師役で、野心家な外科医・財前五郎を演じる。鶴橋康夫監督のもと、現代を舞台に新たな「白い巨塔」を描く。

✅ 物語は2019年を舞台に設定し、最新医療を取り入れ、財前を取り巻く個性的なキャラクターが登場。放送は、開局45周年スペシャルドラマ『弟』以来、15年ぶりとなる5夜連続ドラマスペシャル。

さらに読む ⇒シネマカフェ cinemacafe.net出典/画像元: https://www.cinemacafe.net/article/2018/10/18/58676.html

2019年版は、最新医療技術の描写が非常に興味深いですね。

膵臓がんという難病を取り上げている点も、現代的です。

最新の岡田准一版では、膵臓癌という早期発見が非常に難しい疾患が扱われ、PET検査や腹腔鏡手術など、より高度な医療技術が描かれています。

また、記録媒体も紙カルテから電子カルテへと変化しています。

財前五郎自身の病状も変化し、田宮版では胃がんの肝転移、唐沢版では肺がんの全身転移、岡田版では膵臓がんの腹膜転移と、いずれも末期の癌で、本人への告知は行われませんでした。

2019年版では、財前五郎の設定が「腹腔鏡の名手」であり「肝胆膵の若き権威」へと変更され、膵臓がんの手術が、まだ技術的に普及途上であることを考慮した設定は秀逸と評価されました。

最新版は、映像技術も格段に進歩してるんでしょうね。医療技術の進歩が、ドラマの表現にも影響を与えているのは面白いわね。

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医療ドラマの裏側!手術の失敗と訴訟、ファッションにも注目。現代医療の進歩と倫理を問い、時代を映す作品。