『吉里吉里人』とは?井上ひさしの傑作、独立国家と社会風刺の世界(?)東北の架空国家『吉里吉里国』独立騒動の全貌
独立国家「吉里吉里国」誕生!井上ひさしが描く痛快ブラックコメディ。架空の村が日本から独立を宣言し、騒動に巻き込まれる作家・古橋の視点で、現代社会の病巣を笑い飛ばす。地方創生、食料自給、独自の文化…理想郷の裏側には、日本社会への強烈な風刺が。SF要素満載、二転三転する展開、そして衝撃の結末!読む者を飽きさせない、井上ひさしの代表作。
💡 『吉里吉里人』は、東北の架空の村が独立国家を宣言し、ブラックユーモアと社会風刺で現代社会を描いた作品です。
💡 作者・井上ひさしが、地方自治、食料自給率、社会の矛盾などをテーマに、独特の世界観で表現しています。
💡 東日本大震災後の岩手県大槌町が舞台となり、作品のテーマが現実世界と交差している点も注目です。
本日は『吉里吉里人』の世界へご案内いたします。
作品のあらすじから、その背景にある社会風刺、そして今もなお色褪せない井上ひさしのメッセージまで、深く掘り下げていきましょう。
独立国家誕生と三文小説家の冒険
独立国家「吉里吉里国」は何を描いた?
現代社会の病巣をユーモラスに描出。
1981年に刊行された井上ひさしの長編小説『吉里吉里人』は、東北の架空の村が独立国家を宣言するという奇想天外な物語です。
当時の日本社会を風刺し、笑いとエログロ表現を交え、社会現象を巻き起こしました。
公開日:2024/05/16

✅ 井上ひさしの代表作『吉里吉里人』のあらすじ、登場人物、時代背景、作者について解説し、同作品が日本 SF 大賞、読売文学賞、星雲賞を受賞した大ヒット作であると述べています。
✅ 作品は、東北の村が独立国家を宣言するという荒唐無稽な物語で、ブラックコメディとして、政治・経済問題への批判を展開し、笑いとエログロ表現が特徴であると説明しています。
✅ 日本農政への批判をテーマの一つとしており、食料自給率100%を主張する吉里吉里国と、米政策に翻弄される「百姓」の姿を描き、井上ひさしのジャーナリスティックな視点を強調しています。
さらに読む ⇒BOOKTIMES出典/画像元: https://booktimes.jp/kirikirijinn/『吉里吉里人』は、単なるフィクションを超え、社会に対する強烈なメッセージを発信しています。
井上ひさしのジャーナリスティックな視点が、作品に深みを与えていると感じました。
1978年から1980年にかけて発表され、1981年に刊行された井上ひさしの長編小説『吉里吉里人』。
この作品は、東北の架空の村「吉里吉里国」が日本からの独立を宣言し、その騒動に巻き込まれる小説家の古橋健二の視点を通して、現代社会の病巣をユーモラスに、そして痛烈に描き出しています。
物語は、雑誌の取材で吉里吉里国へ向かう古橋と編集者の佐藤久夫が、独立騒動に遭遇することから始まります。
吉里吉里国は、独自の通貨、言語(東北弁)、自給自足の経済体制を誇り、日本政府との対立を通して、地方自治、文化の多様性、経済システムのあり方といったテーマを浮き彫りにしていきます。
いやあ、あの頃は面白かったなあ。吉里吉里国なんて、夢物語みたいだけど、なんだか現実味もあったんだよな。井上ひさしの描く世界観は、今でも忘れられないよ。
吉里吉里国の生活と理想郷
理想郷「吉里吉里国」の二代目大統領は誰?
古橋です!
震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町は、『吉里吉里人』の舞台であり、復興への道のりの中で、地域の人々は作品への想いを胸に、未来へ向かっています。
作品は、地方創生や地域活性化、独自の文化や伝統の価値というテーマを提示したのです。
公開日:2018/09/07

✅ 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町は、作家井上ひさしの作品「吉里吉里人」の舞台であり、「ひょうたん島」の愛称で親しまれる蓬莱島や、新巻鮭の発祥の地として知られるなど、豊かな海と歴史を持つ地域。
✅ 震災からの復興に向け、地元漁師はウニやホヤの水揚げを行い、加工業者も再建を果たし地域の味を全国に届けている。また、NPO法人「吉里吉里国」は荒廃した森の再生を目指し、「100年の杉の森」を育てる活動を通して、未来への貢献を続けている。
✅ 吉里吉里人への想いを胸に、磯ラーメン発祥の店や、美しい砂浜と松林で知られた浪板海岸など、震災からの復興への道のりの中で、地域の人々は誇りを持って未来へ向かっている。
さらに読む ⇒全日本民医連 - 全日本民医連のホームページです出典/画像元: https://www.min-iren.gr.jp/news-press/genki/20180831_35887.html震災からの復興と『吉里吉里人』の世界観が重なり合うことで、作品が持つテーマがより深くなっていると感じました。
地域の方々の想いが、未来へと繋がっているのですね。
吉里吉里国は、食料自給率100%を達成し、高度な医療水準、そして金本位制を採用するなど、理想的な国家像を提示します。
この物語は、地方創生や地域活性化、独自の文化や伝統の価値といったテーマを浮き彫りにしながら、中央集権への批判を込めています。
作品には、双頭の犬、ナイチンゲール記章を持つ看護婦、冷凍人間技術など、SF的、漫画的な要素も盛り込まれ、読者を飽きさせない展開が続きます。
古橋は、吉里吉里国の騒動の中で、国賓から犯罪者、移民、雑役夫へと立場を変えながら、最終的には二代目大統領に就任します。
吉里吉里人の生活や独立への準備、そしてその理想郷が、ユーモラスな描写を通して語られます。
吉里吉里国が理想郷として描かれているのは興味深いですね。食料自給率100%とか、ちょっと現実離れしているけど、希望を感じますね。
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食料自給率100%の国vs日本の米政策!井上ひさしが描くブラックコメディ。パロディ満載、言葉遊びで社会を斬る。衝撃の結末が待ち受ける、現代文学の傑作。