田辺聖子とは?作家人生と魅力を紐解く ~代表作、晩酌、そして「好き」を探求する~?田辺聖子の多才な人生:芥川賞受賞から晩年の過ごし方まで
大阪生まれの作家、田辺聖子。古典文学への深い愛情と、時代を超えて愛される作品を生み出した彼女の人生を紐解きます。戦後の焼け野原で古典を読み漁り、作家への道を切り開いた情熱。芥川賞受賞、直木賞選考委員としての活躍、そして晩酌を愛した暮らし。小さな「好き」を大切にし、人生を謳歌した田辺聖子の魅力に迫ります。
💡 田辺聖子氏は、数々の恋愛小説やエッセイで知られる作家。代表作『感傷旅行』で芥川賞を受賞。
💡 古典への深い造詣を持ち、現代語訳を手がけるなど幅広い分野で活躍。晩酌を愛した一面も。
💡 人生を豊かにする「小さな好き」を見つけ、それを大切にする姿勢は多くの読者に影響を与えた。
それでは、田辺聖子氏の作家としての歩みから、彼女の作品、そして晩年の生活まで、詳しく見ていきましょう。
作家としての歩み
田辺聖子の作家としての出発点は?
大阪市民文学賞受賞
田辺聖子氏の作家人生は、処女出版から芥川賞受賞、そして数々の作品発表へと繋がっています。

✅ 田辺聖子氏は1928年3月27日に大阪市此花区で生まれ、写真館を経営する家庭で育ちました。
✅ 1958年に処女出版「花狩」を刊行し、1964年には「感傷旅行」で芥川賞を受賞しました。
✅ その後も数々の作品を発表し、1971年には「貞女の日記」「もと夫婦」「あかん男」「浮舟寺」を出版するなど精力的に作家活動を続けました。
さらに読む ⇒田辺聖子の歩み出典/画像元: https://bungakukan.osaka-shoin.ac.jp/history.php田辺聖子氏の作家としての道のりは、大阪での生い立ちから始まりました。
古典への傾倒、そして作家としての才能が開花していく様子が分かります。
田辺聖子は1928年、大阪に生まれました。
幼少期から古典文学に親しみ、戦時中は航空機製作所の工場で働きました。
その後、樟蔭女子専門学校を卒業し、大阪の金物問屋に就職しますが、作家への夢を諦めきれず退職します。
古典文学の研究に没頭するとともに、大阪文学学校の夜間部に通い、作家・足立巻一の指導を受けました。
1956年、短編小説『虹』を発表し、大阪市民文学賞を受賞。
作家としての道を本格的に歩み始めます。
その後、恋愛小説や社会風刺のエッセイなどを数多く執筆し、1964年には『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニー)』で芥川賞を受賞します。
精力的な執筆活動を続け、歴史小説、SF小説、エッセイ、脚本など幅広い分野で作品を発表しました。
また、直木賞選考委員を27年間務め、女性作家の地位向上に大きく貢献しました。
素晴らしいですねえ。戦前から戦後にかけて、古典に親しみ、文学の道を歩んだというのは、まさに大正ロマンを感じますなあ。
古典への情熱
田辺聖子が古典に目覚めたきっかけは?
焼け野原の大阪での読書
田辺聖子作品は、恋愛小説からエッセイまで、幅広いジャンルにわたります。
代表作を通して彼女の世界観に触れていきましょう。

✅ 田辺聖子さんの代表作10冊を紹介しており、恋愛小説3部作「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」をはじめ、その他の代表作「感傷旅行」、古典文学の現代語訳、エッセイの計4つのジャンルに分類されています。
✅ 恋愛小説3部作は女性である乃里子の恋愛模様を描いており、結婚、離婚、そして一人暮らしを通して、女性の幸せとは何かを多角的に考察しています。
✅ エッセイでは、田辺聖子さんが提唱する「楽しく生きる」ための考え方や、人生観が語られており、気を取り直すことの大切さなど、女性たちに向けて前向きなメッセージが込められています。
さらに読む ⇒おすすめ作品選!出典/画像元: https://www.mottainaihonpo.com/kaitori/contents/cat01/tanabeseiko-osusume.html古典への情熱が、彼女の創作活動の基盤にあったことがよく分かります。
古典を深く理解し、それを現代に伝える姿勢は素晴らしいですね。
田辺聖子は、終戦後、焼け野原の大阪で、本を求め、古典を読み漁った経験から、古典の奥深さを語っています。
学校では近松の研究家から「姦通物を教室で講義できない」と言われ、古典のおもしろさを学ぶ機会に恵まれなかったと語っています。
しかし、自ら古典を読み解くことで、『新源氏物語』を執筆するまでに至りました。
古典は、子どもの頃に苦労なく覚えるべきであり、百人一首のように、歳を重ねてこそ理解できる深い意味合いを持つと訴えています。
古典を学ぶことは、日本の伝統を継承していく上で不可欠であり、小さい頃から慣れ親しむことが重要だと強調しています。
古典を大切にする気持ち、私も共感できますね。最近の若い人たちにも、もっと古典に触れてほしいものです。
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晩酌を愛した作家、田辺聖子。こだわりの酒と肴、夫との語らい…小さな幸せを大切にした晩年の姿を、食卓を通して描きます。晩酌は人生の潤い。