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志村季世恵『さよならの先』とは?死と向き合い、いのちを語るバースセラピストの生き方とは?『さよならの先』を通して知る、死生観と生き方

死をタブーとせず、生と死の境界線を見つめるエッセイ集『さよならの先』。バースセラピスト・志村季世恵が、末期がん患者に寄り添い、4万人以上をカウンセリングした経験から「死は生まれ変わる機会」と語る。樹木希林も共感した、いのちの尊さ、そして最期まで輝き続ける生き方とは? ユーモアと温かさに溢れた、心震えるメッセージが、あなたの心の奥底に響き渡る。

志村季世恵『さよならの先』とは?死と向き合い、いのちを語るバースセラピストの生き方とは?『さよならの先』を通して知る、死生観と生き方

📘 この記事で分かる事!

💡 志村季世恵さんの著書『さよならの先』は、死をタブーとせず、前向きに生きることを提案しています。

💡 バースセラピストとしての活動を通して、死と向き合う中で得た、いのちの尊さについて知ることができます。

💡 樹木希林さんとの出会いを通して、死生観や生き方について深く考えるきっかけを与えてくれます。

今回は、志村季世恵さんの著書『さよならの先』を通して、死と向き合い、いのちについて考えさせられる内容をご紹介します。

それでは、まず、この本を通してどんなことがわかるのか、ポイントを3つに絞って見ていきましょう。

死と向き合うようになった原点

志村季世恵さんはどんな経験から死を身近に感じましたか?

幼少期の病気と別れ

本著は、死を単なる終わりとして捉えるのではなく、新たな始まりとして捉え、死と向き合いながらも前向きに生きる姿を描いています。

応援してくれた人たちに「ありがとう」を志村季世恵さん「エールは消えない」出版記念講演

公開日:2023/04/12

応援してくれた人たちに「ありがとう」を志村季世恵さん「エールは消えない」出版記念講演

✅ 志村さんは、樹木希林さんの晩年に寄り添い、セラピストとして深く関わっていたことから、希林さんのことを本にまとめたいという多数のオファーを受けていた。しかし、関係性が深いことから、どこまで書いていいのか悩んでいた。そんな中、志村さんが長年見守ってきた少年が新たな人生の門出を迎えることになり、彼に一人の「お母さん」の姿として希林さんのことを伝えたいという思いから執筆を決めた。

✅ 志村さんは、母親を亡くした少年に希林さんのことを伝えるために執筆することを決めたが、執筆中に自身の母親が末期がんであることが判明した。しかし、母親の「大丈夫、絶対に治るから」という言葉に励まされ、執筆を続けた。

✅ 志村さんは、亡くなった人が残した思いは、遺族や大切な友だちが受け取り、種にして芽吹かせることができると考えている。そして、ターミナルケアに携わってきた経験から、多くの人が他人と自分自身の人生を比べてしまい、後悔していることを目の当たりにしてきた。志村さんは、多くの人が後悔しないように、亡くなった人たちの願いを託され、本を書いたり講演会で話したりしている。

さらに読む ⇒好書好日|出典/画像元: https://book.asahi.com/article/14868232

志村さんが、死を通して、命の尊さや、亡くなった人の思いを繋ぐことの大切さを伝えている点が印象的でした。

自らの経験を通して、読者に寄り添うような温かいメッセージが込められていると感じます。

志村季世恵さんは、幼少期に親代わりの人を亡くしたり、病気で入退院を繰り返したりする中で、早い時期から死を身近に感じてきました。

小児病棟での経験を通して、臨終の際に家族が子どもを最後に抱っこできない状況に疑問を持ち、自身も飼い猫の安楽死の時に父から教わったことを思い出しました。

それは、命の期限が来た時でも、できることを精一杯やること、そして愛する人を最後まで見送ることの大切さです。

志村さんは、そうした経験を通して、命の尊さ、そして誰かのためにできることを大切にするようになりました。

最近は終活という言葉も耳にするけど、若い頃は考えもしなかったな。親しい人の死を経験して、死生観が変わったって話、よくわかるよ。

バースセラピストとしての活動

志村季世恵さんの考えでは、死とは何ですか?

生まれ変わる機会です

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のような体験を通して、日常の当たり前を見つめ直すことの大切さを教えてくれます。

ダイバーシティの体感が社会を変える「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」代表理事/バースセラピストの志村季世恵さんに注目!
ダイバーシティの体感が社会を変える「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」代表理事/バースセラピストの志村季世恵さんに注目!

✅ 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、視覚障がいのある人を案内役として、真っ暗闇のなか、視覚以外の感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテインメントです。このプログラムを通じて、参加者は視覚に頼らない生活を体験し、自分自身の感覚や周りの人とのつながりについて深く考えさせられます。

✅ 志村さんは、このプログラムが人々に「シンプルな幸せ」や「周りの人への感謝」といった大切な価値観に気づかせる力があると信じています。また、末期がん患者へのケアを通して、人は「ありがとう」という感謝の気持ちをもって人生を終えることができることを実感しています。

✅ 志村さんは、ダイバーシティの重要性を訴え、「すべての人が自分の ゛今゛ に対してOKを出せる。私もみんなも等しくすごい、と心から思える」という思いを語っています。そして、「ダイバーシティの扉を開ける」ことで、より幸せな明日が訪れると信じているのです。

さらに読む ⇒(プレシャス)ラグジュアリー体験の入り口メディア出典/画像元: https://precious.jp/articles/-/47030

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のような体験を通じて、多様性を受け入れ、自分らしく生きることの素晴らしさを伝えている点が印象的でした。

自分自身の価値観を改めて見つめ直す良いきっかけになると思います。

志村季世恵さんは、バースセラピストとして、長年、心にトラブルを抱える人や、末期がんを患う人など、多くの人の心のケアに携わってきました。

約30年間で延べ4万人以上をカウンセリングし、その経験から「死とは、もう一度、生まれ変わる機会」という考えに至りました。

志村さんは、ターミナルケアを通して、人が死ぬまで変化し、成長し、何かを生み出し続けることを目の当たりにしてきました

その経験から、人は死を迎えるまで、自分なりの花を咲かせ続けることができる、というメッセージを発信しています。

多様性って言葉、最近よく聞くけど、具体的にどういうことなのか、この話を聞いて少し分かった気がするわ。自分も周りの人も大切にできるって、素敵なことね。

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死をタブーとせず、最期まで希望を。志村季世恵が、樹木希林も共感したエッセイで、いのちの尊さと生と死を見つめる。ユーモアと温かさで、未来へ繋ぐメッセージ。