染織の世界へようこそ!織物と染物の基礎知識から技術、歴史、草木染めまで(?マーク)日本の伝統技術:染織の世界
日本の伝統を色鮮やかに伝える染織の世界へ。人間国宝が守り抜く技術、鮮やかな染めと繊細な織りの技法を紐解きます。草木染めの優しい色合いから、時代を超えた着物の美しさ、更には身近な素材で始める草木染めのヒントまで。染織の奥深さを体験し、着物文化の魅力を再発見しましょう。
着物の染色の歴史と技法
着物の染色はいつからあるの?
縄文時代から
着物の染色技術の歴史は古く、時代とともに発展してきました。
様々な技法について解説します。
公開日:2021/03/22

✅ 江戸更紗は、インドから輸入された高価な更紗を模倣し、日本の染色技術を駆使して生まれた国産の更紗の一種です。
✅ 江戸更紗は、神田川の水質の影響で独特の渋みを持つのが特徴で、日本の「侘び寂び」の美意識と合致して人気を博しました。
✅ 江戸更紗は、伊勢和紙で作られた伊勢型紙を多数重ねて染めるという、高度な技術を用いた染色方法によって、精巧で美しい模様を生み出しています。
さらに読む ⇒゛梶古美術出典/画像元: https://kajiantiques.com/blog/edo-chintz化学染料と天然染料の違いや、それぞれの特性について理解が深まりました。
着物の染色の歴史は古く、縄文時代から存在していました。
初期は植物や動物の素材を直接使用していましたが、時代とともに糸染めなどの技術が発展しました。
特に江戸時代には、更紗染めや型染めなど、多様な染め技法が生まれました。
現代では、浸し染め、草木染め、引き染め、手書き染め、型染め、筒書き、絞り、友禅染め、江戸小紋、更紗染めなど、様々な技法が用いられています。
染料も、古くは草花や木の実、動物の血液などを利用していましたが、明治時代以降は化学染料も使われるようになりました。
化学染料は、色の再現性が高く、コスト削減にも役立つ一方、天然染料は環境や植物の状態によって色が変化し、色あせしやすいという特徴があります。
化学染料と天然染料はそれぞれ異なる特徴を持つため、用途や好みに合わせて使い分けられています。
着物の染色って、縄文時代からあったんですね!化学染料と天然染料の違いもわかりやすかったです。
草木染め
身近な植物で布を染める伝統技法、草木染め。どんな植物でどんな色が染まるの?
植物の種類で色が変わるよ
草木染めの種類や、その工程についてご紹介します。
自然の色合いは、見ていて癒されますね。

✅ 黄檗きはだは、古くから黄色を染める染料として使用されてきたみかん科の落葉高木です。平安時代の「延喜式」や「和名類聚抄」にも記載があり、当時の衣服や帳簿などに用いられていました。
✅ 黄檗きはだは、生薬名では黄柏と呼ばれ、健胃整腸作用を持つベルベリンを含んでいます。民間薬や外用薬としても用いられてきました。
✅ 黄檗きはだは、細かく刻んだ樹皮を煮出して煎汁を作り、絹糸を染めます。媒染剤として酢酸アルミニウムを用い、染め重ねることで鮮やかな黄色に染められます。他にも、黄色染料には、櫨、梔子、鬱金、苅安など様々な植物が使われています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://iroai.jp/kihada/身近な植物から色を抽出する草木染めは、環境にも優しく、とても魅力的ですね。
草木染め(植物染め)は、身近な植物を使って布や糸を染める伝統的な染色技法です。
植物の葉や根には色素分子が含まれており、煮出すことで水に溶け出し、布や糸に色が付きます。
染色の工程は、布や糸の下処理、染料の抽出、染色、水洗い、媒染、乾燥などがあり、植物の種類や布の素材によって異なります。
草木染めに使う植物は、藍や茜などメジャーな染料から、桜の葉や栗のイガなどの身近な植物、玉ねぎの皮やアボガドの皮などの食材まで、幅広く使えます。
布や糸の下処理には、精錬や濃染処理などがあり、繊維の種類によって適切な処理方法が変わります。
動物繊維はタンパク質でできているため染まりやすく、植物繊維はセルロースでできているため染まりにくいので、濃染処理をすることで色素との結合を高め、色落ちを防ぎます。
草木染めは、自然の素材を用いた温かみのある染色方法であり、環境にも優しいことから近年注目されています。
この記事は、草木染めの材料となる植物や野菜を探している人、草木染めの材料を手に入れる方法を知りたい人、草木染めで染まる色を知りたい人のための情報提供をしています。
記事では、コーヒーの出がらし、桜の枝、玉ねぎの皮、黒豆、春菊、ささ、よもぎなど、入手しやすい7つの草木染め材料とその染め上がりを紹介しています。
また、草木染めの材料を手に入れる方法として、野菜や果物の皮を有効活用する方法、山や森で材料を採取する方法、ネット通販で購入する方法の3つを紹介しています。
さらに、草木染めを実際に体験したい初心者向けの「草木染めビギナーズコース」を紹介しています。
本コースでは、淡路島の森で植物の採取から染めまでを体験することができます。
黄檗(きはだ)は、日本各地に自生するミカン科の落葉高木で、古くから黄色の染料として利用されてきました。
飛鳥時代の染織品では、藍染の上に黄檗で染め重ねた緑色が多く見られます。
平安時代の『延喜式』には、黄檗が浅緑色の染料として使用されていたことが記されています。
また、『和名類聚抄』にも記載があります。
黄色の染料として、黄檗の他に栀子、苅安などが使われていました。
黄檗は生薬としても利用され、黄柏と呼ばれ、健胃整腸作用があることから民間薬にも用いられています。
黄檗で染めるには、樹皮を煮出して煎汁を作り、糸を浸して煮染めます。
媒染剤として酢酸アルミニウムを使用すると、より鮮やかな黄色が得られます。
黄色の染料植物は黄檗以外にも、櫨、栀子、鬱金、苅安、小鮒草、槐、合歓木、苦参など、多くの種類があります。
それぞれの植物によって、黄色に深みや変化が生まれます。
草木染めって、家の庭にあるものでもできるんですね!自然の色合いって本当に素敵です。
本日は染織の世界についてご紹介しました。
奥深い世界を少しでも感じていただけたら幸いです。
💡 染織は、織物と染物の2つに大別され、様々な技法が存在します。
💡 着物の染色には、草木染めなど、様々な技法が用いられています。
💡 草木染めは、自然の素材を用いた温かみのある染色方法です。