『吉里吉里人』とは?井上ひさしの小説が問いかける現代社会への風刺とは?井上ひさしの『吉里吉里人』の世界:独立国家、社会風刺、そして地方の可能性
東北の村が日本からの独立を宣言!?井上ひさしの傑作『吉里吉里人』は、奇想天外な独立国家の物語を通して、日本社会への痛烈な風刺と人間への深い洞察を描き出す。独自の通貨、言語、自給自足を目指す姿は、中央集権へのアンチテーゼ。言葉遊びと方言を駆使した唯一無二の文体で、地方の可能性と社会の矛盾を鮮やかに描き出す、読み応え抜群の一冊。
💡 井上ひさしの小説『吉里吉里人』は、岩手県を舞台に、日本からの独立を宣言した架空の村「吉里吉里村」の物語です。
💡 小説は、経済、社会、文化など、現代社会が抱える問題を風刺的に描き出し、地方の可能性も示唆しています。
💡 井上ひさしの独特な文体と、吉里吉里国のユニークな設定が、読者を魅了し、深い考察を促します。
それでは、小説『吉里吉里人』の世界を紐解きながら、その魅力と、作品が持つメッセージを読み解いていきましょう。
最初の章では、物語の舞台となる吉里吉里村の独立宣言と、物語の背景にある社会風刺について解説します。
独立宣言と社会風刺
「吉里吉里人」の舞台となっている村は?
吉里吉里村
岩手県を舞台にした小説『吉里吉里人』は、日本からの独立を宣言した吉里吉里村の姿を通して、現代社会の課題を浮き彫りにします。
公開日:2020/03/11

✅ 井上ひさしの小説「吉里吉里人」は、岩手県を舞台に、架空の村「吉里吉里村」が日本から独立宣言をする物語。
✅ 独立宣言後、吉里吉里国は「金本位制」や「タックス・ヘイヴン」などを導入し、世界中の大企業が押し寄せ、経済が活性化する。
✅ 作品全体が「ズーズー弁」で書かれており、現代社会の課題を扱いつつも、ドタバタ劇とオヤジギャグが中心で、読みづらく、長編のため全巻読むのは厳しい。
さらに読む ⇒日本景出典/画像元: https://www.1718.design/post/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8B%E3%82%89%E7%8B%AC%E7%AB%8B%EF%BC%81%EF%BC%9F%E3%80%8C%E5%90%89%E9%87%8C%E5%90%89%E9%87%8C%E4%BA%BA%E3%80%8D%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%BF%E3%81%9F%EF%BC%81読みづらい部分もあるかもしれませんが、井上ひさし氏のユーモアあふれる筆致と、社会に対する鋭い視点が魅力です。
ドタバタ劇の中に隠されたメッセージを読み解くのが面白いですね。
『吉里吉里人』は井上ひさしによる1981年発表の長編小説で、東北の小さな村『吉里吉里村』が突如日本からの独立を宣言する物語です。
この小説は1978年から1980年にかけて『小説新潮』に連載され、1964年のラジオドラマ「吉里吉里独立す」を原作としています。
1981年には第2回日本SF大賞、1982年には第33回読売文学賞、第13回星雲賞を受賞するなど、井上ひさしの代表作として大きな話題となりました。
いやあ、懐かしいなあ。昔、吉里吉里人のドラマを少しだけ見た記憶があるよ。あの独特の雰囲気、今でも覚えているよ。社会風刺というよりも、SF的な要素が強かった印象だね。
吉里吉里国の独立と独自性
人口わずか4187人の吉里吉里国は、どんなユニークな制度で知られていますか?
独自の通貨と言語、国会議事堂車
吉里吉里町の風景が変化していく様子が詳細に記録されています。
写真とキャプションで、その変化を視覚的に追体験できるのが興味深いですね。

✅ 2014年の秋以降、吉里吉里町は急速に変化しており、盛り土された住宅街には約40棟の家と公営住宅が建設され、空き地よりも住宅地の割合が増加しました。
✅ フィッシャリーナの工事はほぼ完了し、海岸沿いの防潮堤も半分完成しています。
✅ 記事では、変化を記録するために撮影された写真が紹介されており、クリックすると拡大して見ることができ、キャプションも添えられています。
さらに読む ⇒ホーム/出典/画像元: https://kirikiriouen.jimdofree.com/%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%81%91-our-beginning/%E5%90%89%E9%87%8C%E5%90%89%E9%87%8C%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%BE-the-present-kirikiri/吉里吉里国が独自の通貨や言語を導入している点は、非常に興味深いですね。
現実の地方創生にも通じるヒントがあるかもしれません。
人口わずか4187人、面積約40平方キロメートルの吉里吉里国は、独自の通貨『イエン』や言語『吉里吉里語』を導入し、木炭バスを改造した『国会議事堂車』で国内を巡回するなど、独特な制度を確立しました。
日本政府は吉里吉里国の独立を認めず、対立が深まりますが、吉里吉里国は金本位制を採用し、完全な自給自足体制を目指します。
一見滑稽な設定の裏には、日本社会への鋭い批判と、人間の愚かさや矛盾に対する深い洞察が隠されています。
独立国家としての独自性は、現代社会の課題に対する鋭い風刺が込められていると感じました。小さな国が、独自の制度で自立を目指す姿は、とても刺激的です。
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井上ひさし『吉里吉里人』。地方独立で中央集権を痛烈批判!言葉遊びと風刺で社会問題を炙り出す痛快作。遅筆の裏に隠された驚くべき執筆術とは?