細井順医師のホスピスケアとは?~医師人生とスピリチュアルケアへの道~細井順医師:ホスピス医としての人生とスピリチュアルケアへの道
医師の息子、細井順医師。外科医として活躍するも、患者の苦悩に触れ、ホスピス医へ転身。キリスト教信仰を根幹に、日本のホスピス黎明期を支え、愛知初のホスピスを設立。ターミナルケアを通して、患者の全人的ケアを実践。最期まで寄り添い、共に生きる。細井医師の揺るぎない信念と、人々の尊厳ある最期を支える姿を描く、感動のヒューマンドキュメント。
💡 細井順医師は外科医として活躍後、ホスピス医に転身。患者の全人的ケアを目指す。
💡 細井医師は、キリスト教信仰とホスピスケアを軸に、人々の尊厳ある最期を支えている。
💡 本書では、ホスピスケアにおけるスピリチュアルケアの実践について、具体的な事例を通して学ぶ。
それでは、細井順医師の医師としての歩みと、ホスピスケアへの想いに迫っていきましょう。
医師への道
細井さんはなぜ医師を目指したのでしょうか?
信仰を深めたから
本章では、細井順医師が医師を目指すまでの道のり、そしてホスピスケアとの出会いについてご紹介します。

✅ 本書は、ホスピスケアにおけるケアをする者とされる者、その両者を支える力について学ぶための書籍です。
✅ ヴォーリズ記念病院ホスピス長細井順氏、栄光病院理事長下稲葉康之氏、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授大西秀樹氏の講演に加え、ケア実践者のアイデンティティとビジョンに関わる伊藤高章氏、窪寺俊之氏の論文を収録しています。
✅ 「いのちを育むホスピスケア」「死に対峙している魂の苦悩にどのように応えるか」「がん医療の現場からみた心の問題」といったテーマを通して、ホスピスケアにおけるスピリチュアルケアの実践的な学びを深めることができます。
さらに読む ⇒聖学院大学出版会出典/画像元: https://www.seigpress.jp/book/2160/細井医師の葛藤と決意、そして信仰との出会いは、彼の医師としての在り方に大きな影響を与えたのですね。
細井さんは、医師の息子としてクリスチャンホームで育ち、幼い頃から教会に通い、中学時代に受洗しました。
医学部受験に失敗し、浪人中にキリスト教の教えに触れ、神への信仰を深めたことで、医師になる決意を固めました。
大学病院で外科医として活躍する中で、10年以上経つ頃には、患者との関わり方や自分自身のあり方に疑問を感じ始めます。
特に、手術が成功しても再発などで再び苦しむ患者を目の当たりにし、外科医としてのジレンマを抱えるようになりました。
なるほど…外科医としての成功を収めても、満たされない部分があったんですね。キリスト教の教えとの出会いが、彼の人生を大きく変えたというのは興味深い。
ホスピスケアとの出会い
細井さんはなぜ大学病院を辞めたのですか?
理想と現実のギャップに苦悩したため
次の章では、細井医師がホスピスケアの世界に足を踏み入れるきっかけとなった出来事について見ていきましょう。

✅ 2022年7月19日に「ユニバーサル・ホスピスマインドをもとに最強のチームを作ろう ~ 第179回 柏木哲夫先生から学ぶホスピスマインド~」というオンラインイベントが開催されました。
✅ イベントでは、日本のホスピス活動の先駆者である柏木哲夫先生から、ホスピスマインドについて学び、参加者からの質問や感想を通して理解を深めました。
✅ イベントは好評で、多くの参加者から学びや気付きがあったという声が寄せられました。イベントでは、柏木先生から「生命は尽きるが、いのち(人の価値観、何を大切にしてるか)は永遠」というメッセージが発信され、参加者にとって大きな影響を与えたようです。
さらに読む ⇒一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会出典/画像元: https://endoflifecare.or.jp/posts/show/9206柏木哲夫先生との出会い、そしてご自身の父親の最期を通して、ホスピスケアの重要性を深く理解されたのですね。
細井さんは、ターミナルケアに関心を持ち始めますが、当時の大学病院では受け入れられず、自身の目指す医療と現実とのギャップに苦悩し、大学病院を辞めて淀川キリスト教病院に移りました。
そこで、日本のホスピスの生みの親である柏木哲夫氏と出会い、ホスピスケアの理念に触れ、自らの父親の最期を目の当たりにしたことで、ホスピス医への転身を決意しました。
柏木哲夫先生の「生命は尽きるが、いのちは永遠」という言葉は、深く心に響きますね。死生観について改めて考えさせられます。
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外科医とホスピス医として、人々の最期を支えた細井医師。全人的ケアで尊厳ある最期を支援。信仰と医療を軸に、患者に寄り添い、共に生きる。