北川進教授が拓くMOF(金属有機構造体)の世界?ノーベル化学賞受賞への道と未来への展望MOF(金属有機構造体)開発、近畿大学での出会いから社会実装まで
2025年ノーベル化学賞受賞の北川進教授。MOF研究着想の原点、恩師との出会い、そして計算機の待ち時間から生まれた革新的なMOF技術とは? CO₂分離、エネルギー貯蔵などSDGsに貢献する未来材料の社会実装を目指す。日本の科学力低下を憂い、哲学と「無用の用」を軸に、若手へのメッセージも。化学の魅力と、自ら考え抜くことの重要性を説く。
💡 北川進教授がノーベル化学賞を受賞した研究である金属有機構造体(MOF)とは何かを紹介します。
💡 MOFの研究がどのように始まり、社会にどのような貢献をしているのかを解説します。
💡 未来の科学研究、そして化学分野で活躍したい若者たちへのメッセージをお届けします。
本日は、2025年ノーベル化学賞を受賞された北川進教授の研究、金属有機構造体(MOF)について、その生い立ちから社会への貢献、そして未来への展望を紐解いていきます。
近畿大学での出会いとMOF研究の芽生え
ノーベル賞 北川教授、MOF研究着想のきっかけは?
恩師との出会いと、学生の観察眼。
北川進教授の研究者としての原点、それは近畿大学での出会いから始まりました。
恩師との出会い、そして研究室での経験を通して、MOF研究の着想を得たとのことです。
2025年ノーベル化学賞を受賞した北川進教授は、近畿大学在学中に恩師である宗像惠名誉教授、同級生の前川雅彦教授、杉本邦久教授との出会いを経て、後のMOF研究の着想を得ました。
当時の研究環境は決して恵まれたものではなく、計算機の制約から膨大なデータの入力に時間を要しました。
その待ち時間中に、研究室の学生であった松山氏の観察眼により、結晶構造に「孔」があることを見抜き、MOF研究への道が開かれました。
北川教授は、この経験を通じて、時間をかけてじっくりと考えることの大切さを学びました。
MOFの誕生と社会への貢献
MOFって何?SDGsに貢献する革新的物質ってホント?
MOFは多孔性物質!SDGsに貢献する革新的な材料!
MOFは、環境問題や産業分野への応用が期待される革新的な材料です。
気体の貯蔵や分離に優れており、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めています。
北川教授が開発した金属有機構造体(MOF)は、金属イオンと有機化合物を組み合わせた多孔性材料であり、ガス吸着や貯蔵など多様な機能を持つ革新的な物質です。
JST(科学技術振興機構)は、ERATO「北川統合細孔プロジェクト」やACCELなど、長年にわたり北川教授の研究を支援し、MOFの応用技術開発、省エネルギー化、産業化を推進しました。
MOFは、CO₂吸着・分離、エネルギーガスの貯蔵、触媒反応など、SDGsの目標13(気候変動対策)、7(エネルギー)、9(産業と技術革新)に貢献する技術として期待されています。
北川氏の「ベンチャー精神」に基づき、研究成果を社会実装するため、Atomis社が設立され、ガスの高効率貯蔵・輸送技術の開発が進められています。
日本の科学研究力の現状と課題
日本の科学力低下の原因は?北川教授の指摘とは?
若手の研究時間減少と発想力の低下。
日本の科学研究力の現状と課題について、北川教授の見解を紹介します。
若手研究者の置かれている状況や、日本の科学研究の未来について考えます。
日本の科学研究力の低下が危惧される中、北川教授は、若手研究者の雑務の増加による研究時間の減少を問題点として指摘しています。
学問の根源となるような研究が生まれにくくなっていると懸念を示し、大隅良典東京科学大学栄誉教授も日本の科学力の低下を認め、将来的に新しい技術が生まれなくなる可能性を指摘しています。
北川氏は、「無用の用」という言葉を使い、一見無用と思われる研究こそが新しい領域を生み出すと強調し、情報過多な現代において、自ら考え、咀嚼し、発想する力が失われつつある点も課題として挙げています。
哲学と化学への情熱、そして未来への期待
北川進氏の研究を支えた思想とは?
万物流転と無用之用
北川進先生の哲学と化学への情熱、そして未来への期待についてお話しします。
先生がどのようにMOFの研究に情熱を注ぎ、未来を切り開いてきたのか、その秘密に迫ります。
北川進氏は、高校時代に触れた哲学、特にヘラクレイトスの「万物流転」の思想や、湯川秀樹博士の著作を通して知った荘子の「無用之用」の言葉に影響を受け、研究を進める上での指針としました。
MOFは当初、世界的に受け入れられなかったものの、北川氏は自らのデータに自信を持ち、研究を継続しました。
研究では、分野外の論文や学会にも積極的に参加し、異なる分野との交流を通して新しい発想を得ることを重視しました。
将来、化学分野に進みたい高校生に対しては、試験での高得点よりも「好きなこと、興味のあることを徹底的に」探求することの大切さを説き、「目に見えるものを作れる」化学の魅力を伝えています。
JSTは、北川博士の受賞を祝福し、日本の科学技術の発展に貢献していくことを表明しています。
本日は、北川進教授の研究と、MOFの未来についてご紹介しました。
研究の着想から社会実装まで、大変興味深い内容でした。
💡 北川進教授の生い立ちからMOF研究の着想、ノーベル賞受賞までの道のりを振り返りました。
💡 MOFの社会への貢献、SDGsへの貢献についてご紹介しました。
💡 日本の科学研究の現状と課題、そして未来への展望について考察しました。