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『あちらにいる鬼』とは?井上荒野と瀬戸内寂聴、家族を描いた物語とは?小説『あちらにいる鬼』とその映画化:井上荒野、瀬戸内寂聴、井上光晴の関係性

井上荒野が、父・井上光晴と瀬戸内寂聴の禁断の恋を小説化。寂聴の許諾を得て、二人の女性の視点から、父の姿と母の謎に迫る。父の死、自身の病、そして寂聴との複雑な関係を通して、作家としての葛藤と再生を描く。事実ではなく、自身にとっての真実を紡いだ、魂を揺さぶる物語。

『あちらにいる鬼』とは?井上荒野と瀬戸内寂聴、家族を描いた物語とは?小説『あちらにいる鬼』とその映画化:井上荒野、瀬戸内寂聴、井上光晴の関係性

📘 この記事で分かる事!

💡 井上荒野が、父・井上光晴と瀬戸内寂聴、そして自身の家族の関係を小説として描いた作品です。

💡 小説は、井上光晴と瀬戸内寂聴の恋愛、そして井上光晴の妻の複雑な心情を描いています。

💡 映画版では、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子が出演し、小説の世界観を映像化しています。

それでは、小説と映画を通して描かれる、家族の複雑な関係について、詳しく見ていきましょう。

執筆のきっかけ

井上荒野さんはなぜ小説執筆を決意したのですか?

寂聴さんの体調悪化がきっかけです。

(本記事では記載しません。

瀬戸内寂聴×井上荒野「私と母がいながら、寂聴さんと年も男女の関係を持っていた父・光晴。一度は絶対嫌だと断った三人についての小説を私が書こうと決めた理由」映画『あちらにいる鬼』公開原作者と主人公のモデル対談〈前編〉

公開日:2022/11/29

瀬戸内寂聴×井上荒野「私と母がいながら、寂聴さんと年も男女の関係を持っていた父・光晴。一度は絶対嫌だと断った三人についての小説を私が書こうと決めた理由」映画『あちらにいる鬼』公開原作者と主人公のモデル対談〈前編〉

✅ 井上荒野さんが父である井上光晴さんと瀬戸内寂聴さんの関係について小説を書こうと思ったきっかけは、編集者からの提案がきっかけだったものの、当初は断っていた。

✅ しかし、寂聴さんが体調を崩した際に、江國香織さんと角田光代さんと共に寂庵を訪れ、寂聴さんと語り合ったことで、寂聴さんが光晴さんのことを本当に愛していたと実感し、執筆を決意した。

✅ また、井上荒野さんは母親について、「父には常に寂聴さん以外にも恋人がいたが、母は少なくとも私たちの前ではつらい顔を見せることはなく、家の中は平和だった。なんでそんなふうに振る舞うことができたのか、不思議だった。」と述べており、母親の謎を探るためにも執筆を決心したと語っている。

さらに読む ⇒婦人公論|芸能、事件、体験告白……知りたいニュースがここに!出典/画像元: https://fujinkoron.jp/articles/-/7085?display=full

井上荒野さんが、寂聴さんの言葉や、ご両親の資料を参考にしながら、事実に基づきつつも、小説として表現することに苦心したことが伝わってきます。

井上荒野さんは、編集者からの提案を当初は断っていましたが、瀬戸内寂聴さんの体調が優れないと聞き、彼女の元を訪ねた際に、寂聴さんが井上光晴さんのことを話していたことから執筆意欲が高まりました

寂聴さん本人も執筆を許諾し、詳細な話を聞かせてもらったとのことです。

荒野さんは、寂聴さんの著作や両親の年表を参考にしながら、小説として創作することを心がけていました。

両親の恋愛関係について、抵抗はなかったと述べており、小説の登場人物として捉えているため、事実ではなく、自分にとっての真実を書いたと語っています。

井上荒野さんの執筆の背景には、様々な思いがあったんですね。編集者からの提案がきっかけだったとは意外でした。寂聴さんの存在が大きかったことがよく分かります。

物語の構成と登場人物

白木篤郎と二人の女性の関係は?

妻と愛人

(本記事では記載しません。

作家・井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴…長い三角関係の心の綾井上荒野さん「あちらにいる鬼」

公開日:2019/02/08

作家・井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴…長い三角関係の心の綾井上荒野さん「あちらにいる鬼」

✅ 井上光晴の娘である井上光晴さんが、両親と瀬戸内寂聴さんの関係を描いた小説「あちらにいる鬼」について、執筆の背景や寂聴さんとの関係、創作過程について語っています。

✅ 特に、寂聴さんが井上光晴さんのことを深く愛していたこと、井上光晴さんが家庭を持つ一方で寂聴さんが出家した時期が近いことなど、両親の関係を改めて見つめ直すきっかけとなったことを明かしています。

✅ また、小説を執筆するにあたって、寂聴さんから直接話を聞いたことや、両親の年表を参考にしながら創作を進めたこと、両親を小説の登場人物として捉え、彼らの真実を描いたと語っています。

さらに読む ⇒好書好日|出典/画像元: https://book.asahi.com/article/12122549

様々な視点から物語を描くことで、より深く登場人物たちの心情に迫ろうとする試みが感じられます。

特に、二人の女性の視点から描かれることで、物語の奥行きが増しているように思います。

物語は、白木篤郎の妻である笙子と篤郎の恋仲である長内みはるという二人の女性の視点で交互に語られます。

当初は著者の視点で執筆を考えていましたが、エッセイのような作品になってしまうことや、自身の視点では描けない場面があることから、二人の女性の視点を採用しました。

長内みはるは、戦後派を代表する気鋭の作家・白木篤郎と出会います。

白木は、美しい妻・笙子との平穏な生活を送りながらも、多くの女性と関係を持つ人物として描かれます。

みはるは白木に惹かれ、肉体的な関係だけでなく、作品を通して「書くこと」による繋がりを深めていきます

色々な視点から物語が展開されるんですね。登場人物それぞれの心情が複雑に絡み合ってそうで、読み応えがありそうです。女性二人の視点というのも、興味深いですね。

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作家・井上荒野が父と瀬戸内寂聴の秘められた関係を描く。父の死、母の笑顔の裏側、そして自身の葛藤…小説家として生きる意味を探る、衝撃のノンフィクション。